第6回 細胞小器官(核・ミトコンドリア等)

高校生物 第6回 細胞小器官(核・ミトコンドリア等)
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第6回 細胞小器官(核・ミトコンドリア等)

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1. 細胞小器官とは

細胞小器官(オルガネラ)とは、 真核細胞の中に存在する、 特定のはたらきをもつ構造のことである。 細胞の中にある「器官」のようなものと考えるとわかりやすい。 それぞれの小器官が機能分担することで、 複雑な生命活動を効率よく行うことができる。 多くの細胞小器官はによって 細胞質から仕切られており、異なる化学反応を同時に進めることが可能になっている。

🎯 ポイント: 原核細胞(大腸菌など)には 膜で囲まれた細胞小器官がほとんどない。 細胞小器官は真核細胞の特徴的な構造である。
2. 核 — 細胞の司令塔

は細胞で最も重要な小器官であり、 核膜(二重膜)に包まれている。 内部にはDNA染色体として格納されており、 遺伝情報の保存と発現の中心となっている。 「細胞の設計図保管室」と覚えるとよい。

核の内部には核小体(仁)があり、 リボソームを構成するrRNAがここで合成される。 核膜には核膜孔という穴が多数存在し、 mRNAやタンパク質などの物質が出入りする。

3. ミトコンドリア — 細胞の発電所

ミトコンドリアは 「細胞の発電所」と呼ばれる。 細胞呼吸によって 有機物(グルコースなど)を酸化分解し、 生命活動のエネルギー通貨であるATPを 効率よく産生する。

外膜と内膜からなる二重膜構造をもち、 内膜が複雑に折りたたまれたクリステが特徴的な構造である。 発展事項として、ミトコンドリアは独自のDNAと リボソームをもつことが知られており、 これは内共生説(もともと独立した細菌が細胞内に取り込まれたという学説)の 根拠となっている。ミトコンドリアは動物細胞・植物細胞の両方に存在する。

4. 葉緑体 — 光合成工場

葉緑体植物細胞にのみ見られる細胞小器官で、 光合成を行う「光合成工場」である。 光エネルギーを使って 水とCO₂から有機物(グルコースなど)を合成する。

葉緑体もミトコンドリアと同様に二重膜構造をもつ。 内部には扁平な袋状のチラコイドが 積み重なったグラナが存在する。 光合成の明反応はチラコイド膜上で行われ、 暗反応(カルビン回路)はストロマ(基質部分)で行われる。 葉緑体もミトコンドリアと同様に独自のDNAをもつ(内共生説の根拠)。

5. 小胞体 — 細胞内の工場・通路

小胞体は 細胞内に広がる膜状の網目構造で、「細胞内の工場・通路」のような役割を担う。 表面にリボソームが付着した 粗面小胞体タンパク質の合成・修飾・輸送に関わる。 一方、リボソームをもたない 滑面小胞体脂質の合成や物質の輸送などを担う。

6. リボソーム — タンパク質工場

リボソームタンパク質合成の場である。 細胞小器官の中で唯一膜構造をもたない。 rRNAとタンパク質から構成されており、 mRNAの塩基配列をもとに アミノ酸を並べてタンパク質を合成する。

真核細胞のリボソームは80S型である。 重要なポイントとして、リボソームは 原核細胞にも存在する (ただし 70S 型)。「膜をもたない → 原核にも真核にもある」という点は試験頻出。

7. ゴルジ体 — 加工・配送センター

ゴルジ体は 扁平な袋(シスターナ)が重なった構造で、 「加工・配送センター」の役割を果たす。 粗面小胞体から運ばれたタンパク質加工(糖の付加・切断など)し、 小胞に包んで 細胞内外の目的地へ輸送する。 特に分泌タンパク質の処理に重要な役割を担う。

8. リソソーム — 細胞の掃除役

リソソーム加水分解酵素を多く含む袋状の小器官で、 「細胞の掃除役」と言える。 古くなった細胞小器官や、食作用で取り込んだ異物・細菌などを 分解する。 主に動物細胞に多く見られる。

9. 液胞 — 貯蔵タンク

液胞は 細胞液を含む袋状の構造で、特に 植物細胞の成熟した細胞で大きく発達する。 水分・無機塩類・有機酸・色素などを蓄え、 膨圧によって 細胞の形を保つはたらきがある。 動物細胞にも小さな液胞は存在するが、植物細胞ほど発達していない。

10. 中心体 — 細胞分裂の要

中心体動物細胞に明確に見られる小器官で、 細胞分裂のときに重要な役割を担う。 中心体から紡錘糸が伸び、 染色体を細胞の両極へ引っ張る働きをする。 高等植物細胞では中心体が存在せず、別の機構で細胞分裂を行う。

11. 各小器官の機能まとめ(比較表)

「何をする場所か」をたとえとともに整理しよう。

細胞小器官主なはたらきたとえ動物細胞植物細胞
遺伝情報(DNA)の保存・発現設計図の保管室
ミトコンドリア細胞呼吸・ATP産生発電所
葉緑体光合成(有機物合成)光合成工場×
リボソームタンパク質合成タンパク質工場
小胞体タンパク質・脂質の合成・輸送工場内の通路
ゴルジ体タンパク質の加工・分泌加工・配送センター
リソソーム細胞内消化(不要物の分解)掃除役
液胞物質の貯蔵・膨圧維持貯水タンク
中心体紡錘糸形成(細胞分裂)分裂指揮所×
12. 植物細胞と動物細胞の違い

植物細胞のみに存在するものとして、 細胞壁葉緑体・ 大きな液胞がある。 一方、動物細胞のみに 中心体が はっきりと見られる。 ミトコンドリア・ 小胞体・ゴルジ体・リボソームは両方の細胞に共通して存在する。

⚠️ 試験頻出: 「植物細胞(高等植物)に中心体はない」 「動物細胞には葉緑体・細胞壁がない」の2点は特に多く出題される。 動物か植物かを判別する問題では、葉緑体・細胞壁・大きな液胞の有無に注目しよう。
13. 原核細胞との違い — つながりの確認

真核細胞は膜で囲まれた細胞小器官をもつが、 原核細胞(大腸菌・シアノバクテリアなど)は 核や膜性の細胞小器官をほとんどもたない。 ただし、リボソームは 原核細胞にも存在する点は重要。 原核細胞のリボソームは70S型で、 真核細胞の 80S 型とは異なる(抗生物質はこの違いを利用して作られるものもある)。

💡 テスト直前チェック:
① 細胞小器官 = 真核細胞の特徴的な構造(原核細胞にはほぼない)
② ミトコンドリア=発電所(ATP産生)、葉緑体=光合成工場
③ 植物のみ:細胞壁・葉緑体・大きな液胞 動物のみ:中心体
④ リボソームは膜構造なし → 原核・真核ともに存在(引っかけ注意!)
⑤ ミトコンドリア・葉緑体は独自DNAをもつ → 内共生説の根拠
📝 確認テスト(一問一答)
Q1. 遺伝情報をDNAとして保存し、細胞の働きを調節する最重要の小器官は何か?
A.
Q2. 細胞呼吸によってATPを産生する「細胞の発電所」と呼ばれる小器官は?
A. ミトコンドリア
Q3. 光合成を行う、植物細胞のみに見られる「光合成工場」の小器官は?
A. 葉緑体
Q4. タンパク質合成の場で、唯一膜構造をもたない細胞小器官は?
A. リボソーム
Q5. タンパク質の加工・分類・輸送を担い「加工・配送センター」と呼ばれる小器官は?
A. ゴルジ体
Q6. 加水分解酵素を含み、細胞内の不要物を分解する「掃除役」の小器官は?
A. リソソーム
Q7. 植物細胞で発達し、水や物質を蓄えて膨圧を維持する構造は?
A. 液胞
Q8. ミトコンドリアと葉緑体が共通してもつ膜の構造を何というか?
A. 二重膜
Q9. 動物細胞のみに見られ、細胞分裂時に紡錘糸の形成に関与する小器官は?
A. 中心体
Q10. 表面にリボソームをもち、分泌タンパク質の合成に関わる小胞体の種類は?
A. 粗面小胞体

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